老人ホームへ入居して10か月

ここの生活も10か月になろうとしている。毎朝、目が覚めると複雑な思いに駆られている。幸福感とは違う。虚しさだろうか、空き家、娘、息子家族のことが気がかりになる。不安になる。そういう気持ちを捨てるようにヨガを始める。ヨガで無に戻し、此処の一日が始まるのだ。

何の不自由もなく過ごしている。身体は未だ大丈夫だ。読書も絵も裁縫も気持ちが向けば好きなだけ出来る時間がある。今が一番恵まれているはずなのに心はウキウキとしない。置いて来たものへ惜別の思いが沸いてきて戸惑う。いずれ死ぬ、その時はもう惜別の煩悩に駆られないだろうか、入居はそれが目的であったのかどうか・・